2018年度 名ポケ卒論

2018年度 名大ポケモン研究所卒業論文

名大ポケモン研究所の歴史に関する考察

名大ポケモン研究所4年 ありよし

 

 

 

 

第1章 序論

 名大ポケモン研究所(略称NULOP、以下『名ポケ』)は、名古屋大学の有志学生による団体として2013年10月に設立された。その活動目的は、「ポケモン」というコンテンツを通してメンバー同士の交流を深めることにある。

 名ポケは来年度で設立7周年を迎えることとなる。その長い歴史の間には、さまざまな工夫を凝らした活動や熱いバトル、数々のドラマが存在した。しかしながら、世代交代が進む中、かつての記憶は徐々に薄れつつある。それらを風化させないために、何らかの記録を残しておくことは急務である。

 そこで、本研究においては設立当初から現在に至るまでの名ポケの歴史を極力調べまとめあげることを目的とする。筆者は設立3年目に加入したため、設立最初期の様子は体験していないが、当時の様子がうかがえる文献から可能な限り書き起こすつもりである。また、それ以降の活動の歴史は筆者自身の実体験として生々しく記憶しており、それらを基に読者が名ポケの歴史を紐解くことが可能になることを目指す。なお、以下の本文中においては人物の敬称は略させて頂くことをご了承願いたい

 

 

 

第2章 名ポケ史の概要

 

2-1 緒言

 この章では、記録を基に名ポケにまつわる出来事を時系列に沿って示す。また、それに基づいておおまかに3つの時期に区切り、それぞれの特徴を考察することで当時の名ポケを取り巻く状況や背景を明らかにする。

2-2 年表

 まず、残された文献や記録から整理し書き起こした年表を以下に示す。

 

2013年

10月 らすらにより名ポケが設立

10月 ポケットモンスターX・Y』発売

12月 第1回全国ポケサーサミット開催

2014年

4月 初の新歓企画が開かれる

4月 中京大学ポケサーとの交流戦

6月 名ポケ、初めてPCL予選に参戦も予選3位に終わる

11月 ポケットモンスターオメガルビー・アルファサファイア』発売

2015年

6月 名大祭にて、サークルとして初の主催となる「第1回名大オフ『名大杯』」開催

 2016年

6月 名大祭にて、「第2回名大オフ『名大杯』」開催

6月 名大祭にて、初の一般向け企画「ナゴヤシティ・ジムバトル」開催

7月 中部ポケサー連盟が創設される

11月 ポケットモンスターサン・ムーン』発売

12月 名大祭以外では初の開催となる「第3回名大オフ『名大杯』」開催

12月 創設以来初となる代表以下幹部の交代

2017年

3月 スキー合宿「コオリの試練」開催

11月 ポケットモンスターウルトラサン・ウルトラムーン』発売

12月 「第5回名大杯『ウルトラ準速オフ』」開催

12月 幹部の交代、新代表にくずきりが就任

2018年

6月 名大祭にて、「第6回名大オフ『名大杯』」開催

9月 PCL本戦に出場、ベスト8に入賞

9月 ポケカ講習会開催

11月 ポケットモンスターLet's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』発売

12月 「第7回名大オフ『名大杯』」開催

12月 幹部の交代、新代表にろくよんごが就任

2019年

2月 3大学交流戦「ウルトラダッシュリレー」開催

 

 この流れを踏まえたうえで、我々は名ポケの歴史を大きく3つの時期に分けた。まず、創設~2015年の「黎明期」、続いて2015~2017年の「拡大期」、最後に2017年~現在に至るまでの「発展期」である。

 

2-3 黎明期

 名ポケの創立当初からしばらくは活動は小規模なものであったようだ。当時の記録によれば、活動の人数は多くても10人を超えることはなかったようである。しかし、当時の代表であったらすらによる地道な活動の甲斐もあり、フラや筍といった、のちの名ポケに大きな影響を与えるメンバーが加入している。

 当時の活動はあまり記録に残っていないが、活動はいわゆるポケモン本編を用いた対戦が中心であったようだ。他に注目すべき点としては、長期休み中の部内戦「研究所最強決定戦」、他大学との交流戦など、現在も行われている活動の原型が存在している点である。この時期の活動は、小さいとはいえ現在にも影響を与えているのがわかる。

 名ポケは徐々に拡張を続けていたが、以前規模は小さいままであった。しかし、2015年4月、状況は大きく動き出す。

 

2-4 拡大期

 2015年、この年の新歓企画において今までの勧誘活動が結実した。何と10人近くの新入生がサークルに加入したのである。中にはシフォン、まっぎょ、うるうるといった実力者も含まれていた。これにより、人材が豊富になりサークル全体のレベルもさらに底上げされる形となった。

 一番大きな影響となって表れたのが、名ポケ主催のシングルバトル対戦オフ会「名大オフ」の誕生である。これまで人手不足によって断念していた主催オフ会の開催が可能になっただけでなく、その開催によってサークルとしての知名度が大きく上がったのは見過ごすには大きすぎるインパクトがあったといえる。

 翌年は前年を上回る規模の新入生が加入した。さらに層の厚くなった名ポケは、名大オフの翌日に一般向けの参加型企画や名大祭以外での名大オフの開催、部内戦における特殊ルールの追加、スキー合宿や映画鑑賞などの課外活動の実施など、その活動をさらに多岐にわたって拡大していくこととなった。

 つまり、この時期は現在の名ポケの活動を確立したという点において、のちに大きな影響を与えたといえるであろう。

 

2-5 発展期

 2016年12月、名ポケに大きな変化が起きた。創設からずっと所長を務めてきたらすが一線から退き、2015年度入学のメンバーたちが幹部となって運営を担うようになったのだ。これ以降、1年おきに幹部陣は交代するようになる。歴代の運営は、かなりの部分は以前を踏襲したものの、細部においては独自の工夫も見られた。

 この時期の特色としては、「多様性」が挙げられる。1つは、メンバーの多様化である。今まで、活動の中心は当然ながら名古屋大学の学生たちであった。しかしこの時期、名ポケは他大学の学生も受け入れ始めている。名ポケはもはや学内にとどまらず、その範囲を大きく広げたのである。

 もう1つは、活動内容の多様性である。それまで、活動の大部分はポケモン本編を用いたものが占めていた。しかし、この時期から「ポケモンGO」「ポケモンカードゲーム」が新たな有力なコンテンツとして浮上、名ポケにもその波が押し寄せた。現在ではポケモン本編によって活動することもあるが、ポケモンカードゲームをするメンバーも多く、さまざまな内容が見られるようになったのである。

 このように、この時期は以前の伝統を受け継ぎつつも、少しずつ変化しながら発展していった時期であるといえよう。

 

 

 

第3章 今後の課題

3-1 緒言

 今までの項では名ポケの発展の歴史について述べてきた。しかしながら、名ポケが完全に順風満帆であるかと問えば、残念ながら否と言わざるを得ないだろう。本章では名ポケを取り巻く大きな2つの課題について考察する。

 

3-2 人間関係

 名ポケは今まで拡大の一途をたどってきた。それはサークル内に多様な背景をもったメンバーが集うと同時に、メンバー間の人間関係が複雑化することでもあった。幸い今までサークルの存亡を左右するような致命的な関係の破綻はなかったものの、複数のメンバー間で関係が悪化したことがあったのもまた事実である(和解したものも多いが)。

 これを解決するためには、メンバー同士がより深くお互いを理解することが必要であろう。部内戦に限らず、普段の活動でもちょっとしたイベントを企画してはどうだろうか。もちろん、先に述べたように活動が多様化していることから、単純にはいかないとは思われるが、何か気軽に参加できる場をもつことで理解を深めていくのがよいと考える。

 

3-3 後継者不足

 名ポケは現在に至るまで、懸命な勧誘活動の甲斐もあり毎年一定数の新入生の確保に成功してきた。しかしながら、それをもって安泰とすることはできない。新入生が確保できない、あるいは入っても多くが辞めてしまうような状況になると、サークルの存続をも脅かしかねない。現に、最近部員不足により城薬ポケサー、静大ポケサーが相次いで活動を休止する事態が発生している。

 これを防ぐために、ターゲットとなる層にポケサーの魅力をより強く発信していくこと、またメンバーが定着できるようより心地よい環境を整備していくことが重要であるといえる。

 

 

 

第4章 結論

 本研究では名ポケの歴史を今一度俯瞰し、大きく3つの時期に分けて当時の背景を明らかにした。また、名ポケが直面する課題を2点に分けて考察した。名ポケの今後の発展に向けて、次代の幹部陣の手腕に大きく期待し、また著者もそれを見守っていく所存である。さらに、中部ポケサー連盟の加盟団体、またそれにとどまらず全国のポケモンサークルの益々の発展を祈念したい。

 

 

 

参考文献

名大ポケモン研究所活動記録

 

謝辞

 執筆にあたり、名大ポケモン研究所の歴代の在籍メンバーの皆様、またこの駄文を最後までお読み頂いた読者の皆様に厚くお礼申し上げます。誤字脱字・事実誤認の指摘、感想、苦情等はコメント欄かTwitter:@quagsirefarmまで。